歯周病治療
歯周病とは?
歯周病とは、歯茎などの歯を支える組織が細菌によって炎症を起こしてしまう病気です。
歯を支える組織が壊れてしまうことで、最悪の場合抜歯につながってしまうケースもあります。
また、細菌ではお口の中に巣くう細菌が全身の病気のもとになったり、糖尿病を悪化させる可能性が指摘されています。
歯茎が腫れているなど、少しでも気になることがあったら、早めの受診が大切です。
歯周病治療の方法
1.軽度歯周病・中度歯周病
軽度歯周病は、歯肉の腫れが大きく目立つ状態です。
軽度歯周病から中度歯周病に進行すると、歯周ポケットの深さは3~5mmで歯の根が見えてくるため歯が長くなったように感じます。歯を支える歯槽骨は歯の根の半分程まで破壊され、歯がグラグラと揺れることもあります。
軽度歯周病・中度歯周病の場合、歯に付着している歯垢・歯石を除去し様子をみます。歯周病の原因は歯垢に住みついている歯周病菌なので、スケーリングやルートプレーニングで徹底的に歯垢・歯石を落とすことが必要です。歯石や歯の根に付着しているものはご自宅でのブラッシングでは落とすことができないので歯科医院での処置が必要になります。菌を除去することで炎症が治まり、歯周ポケットが浅くなることを目指します。
また、歯がグラグラと揺れる時は咬み合わせも調整して一部の歯に負担がかからないようにします。
2.重度歯周病
重度歯周病は歯周ポケットが6mm以上、歯槽骨の半分以上が破壊され歯がグラグラと動く状態です。
重度歯周病の場合も最初はスケーリングやルートプレーニングで歯垢・歯石を除去し、歯周ポケットが浅くなることを待ちます。しかし、この方法で改善しない時は外科的方法(歯周組織再生療法)が必要です。
歯周組織再生療法
歯周組織再生療法は使用する素材によって2種類あります。
1. GTR法
フッ素樹脂で作られたポリテトラフルオロエチレンという素材を使用します。
歯周病によって失われた歯根膜(歯の根の周りにある膜)・歯槽骨部分にポリテトラフルオロエチレンを入れることで、失われた組織を再生させます。
2. エムドゲイン法
エムドゲインと呼ばれるたん白質を素材として使用します。
私たちの体は歯の根を形成する時、エナメルマトリクスたん白質を分泌し歯を支える組織を発達させています。エムドゲインはこのエナメルマトリクスたん白質を含むたん白質です。
使用方法はGTR法と同様です。
歯周病治療後のメンテナンス
歯周病は「歯と歯茎の間の防護機能」「歯周病菌に対する抵抗力」「歯垢の質・量」の3つの要因が絡み合って発症します。治療でカバーできるのは“歯垢の量”だけです。したがって、一度歯周病になった方は治療後も歯周病が再発しやすいのでメンテナンスが重要です。
治療後のメンテナンスはプラークコントロールが基本です。自宅での歯磨き・デンタルフロスに加え、定期的に歯科医院で歯垢・歯石を除去するケアして健康な歯を維持しましょう。