ハイブリットセラミック
ハイブリットセラミックとは
ハイブリットセラミックは差し歯や詰め物などに使用する素材の一つで、プラスチック(レジン)とセラミック(陶材)を混ぜ合わせたものです。
混ぜ合わせることでセラミックの欠点を和らげ、価格を抑えつつ審美性の高い歯に仕上げることができます。食事や話す時など何かと目立ちやすい前歯や、笑った時に見える下顎の奥歯に使用する方が多いです。
ハイブリットセラミックは審美性が高いためほとんどが自費診療です。しかし、条件付きで保険が適用になる場合があります(保険適用になるケースに関して詳しく後述します)。
ハイブリットセラミックの特徴
長所
- 素材が硬すぎないため噛み合う歯を痛めません
- ご自身の歯の色と近いものを選ぶことができます
- 金属アレルギーの心配がありません
- 金属不使用のため歯茎への黒い着色がありません
- セラミックより安価
- 汚れが付きにくい
短所
- セラミックほどの透明感がない
- 経年劣化による摩耗・変色がある
- 歯ぎしり・噛む力が強いと割れてしまう
- 大臼歯に使用する時は割れにくいよう厚く作るため、歯を多めに削る
こんな方に向いています
- 金属アレルギーを持っている
- 自然な歯に見えるようにしたい
- 自然な歯に見せたいけれど、費用も抑えたい
- 歯茎が黒く着色されるのを防ぎたい
ハイブリットセラミックはセラミックほど透明感のある自然な歯の仕上がりにはなりません。しかし、その分費用を抑えることができ、硬すぎて噛み合う歯を傷めてしまうというセラミックの欠点をカバーしています。
また、保険内で使うことのできるものと比較すると、自然な歯に近く歯茎の黒ずみがない点で審美性に優れています。
ハイブリットセラミックは費用や審美性についてセラミックと保険適用の中間と捉えていただくとわかりやすいです。
ハイブリットセラミックと保険について
ハイブリットセラミックは基本的には自費診療です。しかし、2014年から条件付きでハイブリットセラミックが保険適用になっています。
ハイブリットセラミックが保険適用になるケース
上下顎 第一小臼歯、第二小臼歯
第一小臼歯は前歯から数えて4番目の歯(犬歯の隣)、第二小臼歯は5番目の歯です。この歯の被せ物(差し歯)のみ保険が適用されます。部分的に使用する詰め物は適用外です。さらに、CAD/CAMとよばれる機械で作製した被せ物しか保険が適用になりません。
CAD/CAMは歯科技工士に作製依頼するよりも作製日数が少ないことが特徴です。被せ物が合わなくなったり破損した時にすぐに直すことができるのも良い点です。
上下顎 第一大臼歯、第二大臼歯
第一大臼歯は前歯から数えて6番目の歯、第二大臼歯は7番目の歯(親知らずのすぐ手前の歯)です。金属アレルギーであると医師に診断された方のみ保険が適用されます。
下顎 第一大臼歯
上顎と下顎の第二大臼歯4本すべてが残っていて咬み合わせが安定している方のみ保険適用になります。金属アレルギーでない方も対象です。