虫歯治療
虫歯(むし歯)とは
虫歯とは、口の中にいる微生物が生産する酸によって歯が溶かされる病気です。主にスプレプトコッカスミュータンスという菌が関わっています。
虫歯は最初に歯の表面にあるエナメル質、その次にエナメル質の内側にある象牙質を溶かします。そして象牙質の内側にある歯髄(神経や血管が通っている部分)に到達すると、歯髄が菌に感染し激しい痛みを感じます。
この状態を歯髄炎といいます。さらに放置すると感染が歯の根の方向に進み、歯の根の先に膿の袋ができます。この状態を根尖性歯周炎といいます。
神経を取ることで将来の抜歯リスクが高まる
ズキズキと痛む虫歯の場合、神経を取ってしまえば痛みは治まります(痛みを感じとる神経がなくなるため)。一発で痛みをとることは患者さんのためになりますが、長い目で見ると神経を取った歯の抜歯リスクが高まるというデメリットも合わせ持っているのです。
それは、神経と一緒に歯へ水分を供給していた血管も取ってしまうからです。
神経と血管を失った歯は、歯そのものとしては存在できますが10年・20年と時が経つとやがて弱く壊れやすいものになります。その結果、自分の噛む力で割れてしまい抜歯することになるのです。
当院では、できるだけ神経を残す治療法をご提案いたします。
しかし、虫歯の進行具合によっては神経を取らざるを得ない場合もあります。その場合は、残った歯全体を覆う被せ物(クラウンといいます)をして自分の歯が割れるのを防止します。
痛くない虫歯治療のために
歯科治療での痛みを思い出すだけでも、医院に行きたくなくなる、怖い、そんな方は多くいらっしゃいます。そのような患者さまにとっての治療のハードルをできる限り低くするために、当院では痛みを抑える工夫に取り組んでいます。
麻酔は細い針を使用します
麻酔時のチクッとした痛みも嫌なものですよね。
当院は細い針を採用しているため、通常よりも痛みを麻酔の注射の痛みが感じづらくなります。
麻酔が終われば、ほぼ痛みを感じることなく治療を進めることができます。
電気式注射筒を使用した麻酔
治療自体は麻酔を使用することで、かなり痛みを軽減できます。しかし、その麻酔をする注射自体が痛いという声もいただきます。
そこで、当院では電気式注射筒を使用することで、手動とは違い、一定した速度で麻酔液を注入します。これにより、麻酔時の痛みを抑えることができます。
進行段階別 虫歯の治療内容
C1
歯の表面のエナメル質が溶かされている状態の虫歯です。
治療内容は、虫歯の部分を削り詰め物をします。歯の表面ですので麻酔なしで治療ができます。
C2
エナメル質の内側にある象牙質まで溶かされている状態の虫歯です。
治療内容は、虫歯の範囲が小さければ削って詰め物をします。範囲が大きい時は削ってから型を採り、その型からつくった詰め物をします。象牙質のすぐ下が神経なので、治療時は麻酔をします。
C3
象牙質の内側にある歯髄に達した虫歯です。
神経を取る時の治療内容は、歯を削って神経を取り感染根管治療(神経を取り空になった部分を滅菌し密閉する治療です)をします。その後、歯の土台をつくり歯の全体を覆う被せ物をします。
C4
歯が崩壊し、根だけが残っている状態です。ほとんどの場合、根尖性歯周炎になっています。
治療内容は、歯の根の残り具合によって異なります。歯の根がしっかりと残っている場合は、C3と同様に感染根管治療をした後で歯の被せ物をします。歯の根が残っていない場合は、抜歯をしてブリッジや部分入れ歯・インプラントで歯を補うことが必要です。
オーラルペーハーテストを実施しています
オーラルペーハーテストとは、唾液の酸性、アルカリ性の程度を確認するための検査です。
唾液は常に中性に保とうとする性質があります。しかし、これが酸性に傾くと、虫歯のリスクが高くなってしまいます。
一度お口の虫歯に対する抵抗力の強さを計測することで、今後の虫歯予防や最適な治療の選択に生かすことができます。
とても簡単にできる検査なので、お気軽に行っていただくことができます。