予防歯科
予防することの大切さ
歯科医院にご来院いただく方のほとんどは“痛みや違和感を感じてから”の来院です。しかし、お口の健康を維持するためには“なにも不調がない時”の来院が大切です。
予防歯科では健康なお口の状態を維持するためPMTCやフッ素塗布を行っています。“治療するため”の歯科医院ではなく、“治療しないため”の歯科医院を目指しています。
また、予防歯科には様々な症状の早期発見の機会でもあります。
例えば、虫歯の場合、痛みを感じるのは歯の表面よりもう2つ内側の歯髄まで虫歯が到達している時です。症状によっては神経を抜く可能性もあります。また、痛みを放置していた場合は歯の根にまで虫歯菌が感染し複数回の通院が必要です。
しかし、痛みを感じる前にも虫歯は存在していたのです。その段階で発見していれば、痛い思いもせず、治療範囲も小さくて済んだはずです。
予防歯科先進国のスウェーデンやフィンランドでは、80歳になっても自分の歯が平均15~20本残っているというデータがあります。一方、予防歯科があまり浸透していない日本ではどうでしょうか。日本の80歳の方の平均は4~5本という結果です。予防歯科はこれほど大きな差を生んでいるのです。
自分の歯で食事をする喜びを一生味わうために予防歯科をはじめてみませんか。
クリーニングのために来院する方が増えています
患者様の中には、歯が痛くないのに歯科医院に行っていいのだろうかと考えてしまう方もいらっしゃいます。
もちろん、虫歯や歯周病がなくても、クリーニングだけでも、ぜひ来院してください。
実際に、最近では虫歯予防、歯石取りのクリーニング目的で来院される方がすごく増えてきています。
従来の歯が痛くなってからではなく、問題が起こる前に数ヶ月に1度歯科に行くことを習慣にすれば、いつまでも清潔で健康なお口を保つことができます。
予防歯科で行うこと
PMTC
専用の器具を用いて行う歯のクリーニングです。歯科医、または、歯科衛生士が担当します。自分では落とすことのできない歯石や磨き残しを徹底的に除去します。3~6ヶ月に一度のPMTCが効果的です。
基本的に痛みはありませんが、知覚過敏の方は痛みを感じることがあります。心配な方はお気軽にご相談ください。
フッ素塗布
歯にフッ素を塗ることで虫歯予防につながります。
そもそも虫歯とは、口の中にいる微生物が主に砂糖を原料として酸を生産し、その酸によって歯が溶かされる病気です。フッ素は歯の再石灰化(歯の表面であるエナメル質が修復されること)を促進し、虫歯菌の出す酸に溶けにくい強い歯をつくります。
オーラルペーハーテスト
オーラルペーハーテストとは、唾液の酸性、アルカリ性の程度を確認するための検査です。
唾液は常に中性に保とうとする性質があります。しかし、これが酸性に傾くと、虫歯のリスクが高くなってしまいます。
とても簡単にできる検査なので、お気軽に行っていただくことができます。
一度お口の虫歯に対する抵抗力の強さを計測することで、今後の虫歯予防や最適な治療の選択に生かすことができます。
ご自身でできること
基本は毎食後の歯磨きです。鏡を見ながら1本ずつ丁寧に磨きましょう。歯と歯の間は歯ブラシでは磨くことができないので、デンタルフロスを使います。理想は毎食後ですが、時間がかかるため難しい時は夜だけでも大丈夫です。
虫歯や歯周病のきっかけは歯垢です。歯垢の中に住みつく細菌が悪さをするのです。歯垢1g当たり1000億個以上もの細菌が住んでいます。歯垢は食後4~8時間でつくられ、2日後には硬い歯石に変化します。歯石になるとご自身では落とすことができません。さらに、歯石の表面はデコボコしているため、その上に歯垢が付きやすい状態になり悪循環です。
歯磨き・デンタルフロスはできるだけ食後すぐに行い、歯垢をつくらせないことがポイントです。
また、歯並びが複雑になっている部分は磨いているつもりでも磨き残しが出てしまいます。当院では、患者さんごとにより効果的な歯磨きの仕方をお伝えしております。ぜひ歯磨きの参考になさってください。